2023年度事業活動計画
6月27日 如水会館にて 第231回理事会、第52回定時総会が開催されました
1. 概要
2022年の飲料用アルミ缶の国内需要量は前年比99%の約215億缶と推定されますが、9年連続で200億缶の大台は維持されました。昨年は徐々に行動制限が緩和されてアルコールの外飲みが増えた結果、国内ビール類の総需要は業界紙推定で102%と久し振りに前年を上回りましたが、ビール類の缶需要は家飲みの減少により前年比97%となり、またRTD缶も外飲み増加の反動で前年比99%と15年振りの前年割れとなった模様です。一方で清涼飲料の国内生産量は、人流回復と夏場の好天により炭酸水、茶系、MW等が好調で前年比102%となり、アルミ缶需要も炭酸缶やコーヒー缶向けが好調で102%となりましたが、アルコール向けの落ち込みを補いきれずにアルミ缶の国内総需要量は99%で着地したと推定します。
2022年度のリサイクル活動は、年央より新型コロナウイルスの感染が鎮静化に向かい、UBC回収量の半分近くを占める集団回収活動も回復し、回収量全体としては堅調であったと推測されます。しかし、製造業の回復及び資源循環やカーボンニュートラルへの取り組み強化により国内での再生利用重量は3.1千トン増加したものの、UBC輸出量は組成率反映値で15.5千トンも減少し、再生利用重量全体では12.4千トン減少しました。この結果、リサイクル率は前年度よりも2.7ポイント減の93.9%に低下しましたが、目標の92%以上は何とか7年連続で達成されました。
またアルミ缶の強みでもある CAN to CAN 率(水平リサイクル率)は、アルミ缶関連業界の資源循環への取り組み強化により11.7千トン増加して前年よりも3.9ポイント増の70.9%に上昇しましたが、これに安堵することなく、引き続き中期的取り組みとして今一歩高いレベルにするための方策を協会内外で協議していく所存です。
2022年は年後半から新型コロナによる行動制限が緩和され、アルコールの外飲みが増えたために缶重量の軽いアルコール缶の需要が減少し、一方で缶重量の重い清涼飲料向けボトル缶が増加しました。この結果、前年よりも平均缶重量が0.02g重くなりリデュース率も6.1%とわずかに悪化しましたが、2025年目標である6.0%以上は2年連続で達成されました。現在もビール缶等で軽量化は進められており、引き続き関係者が一丸となって取り組まれ、更に高みを目指すことに期待します。
UBCの輸出は韓国向けとタイ向けが大きく減少し、前年比▲1.9万トン減の6.6万トン(*)になりました。タイ向けの減少は自国及び周辺国からのUBC調達網が構築されたためと思われ今後の再拡大の可能性は低いと見込まれますが、韓国向けの減少は洪水による荷受けの停止の影響や日本のUBC価格の高騰によるUBC調達国の変更によるものであると思われ、今後また増加に転じる懸念があります。UBCの輸出動向には引き続き注意が必要です。 *:貿易統計値(組成率未反映)
2. 基本方針
1)アルミ缶リサイクルの推進を円滑に進めます
(1)アルミ缶回収ルートの整備・支援を通じて、リサイクル活動の活性化に取り組みます
(2)広報・啓発活動を行います
(3)調査・情報提供活動を行います
(4)CO2排出削減と国内資源循環の強化を図るため、リサイクル率の安定化とCAN to CAN率の向上に取り組みます
2)3R推進団体連絡会の一員として積極的に3R活動に取り組みます
<目標>
(1)安定的にリサイクル率92%以上を維持します
(2)2025年までに2004年比で6.0%以上の軽量化を目指します
(3)アルミ缶回収協力者表彰数は、学校・一般とも前年度以上を目指します
3. 2023年度 事業活動計画の内容
【1】アルミ缶リサイクルの推進を円滑に進めます
(1)アルミ缶回収ルートの整備・支援
事業者責任としてアルミ缶回収率を上げるために関係者との連携、協働の推進を引き続き行います。
①当協会プレゼンス向上を目的に官庁や関連団体への訪問・支援、自治体、消費者団体との交流を積極的に行います。
・官庁(経産省金属課)の定期会合へ参加し、タイムリーな情報提供を行います。
・全国の自治体へアルミ缶回収に関するアンケート調査を実施したところ、当協会の活動内容についての理解度が
低いことが判明したため、定期的な調査・広報活動を実施して理解度向上を図ります。
・リデュース・リユース・リサイクル推進協議会主催の「3R推進功労者等表彰」の候補者推薦を行います。
②アルミ缶回収表彰制度の認知度向上
・「アルミ缶小・中学校回収協力者表彰」、「アルミ缶一般回収協力者表彰」、及び「優秀回収拠点表彰」制度の
認知度向上を目的に、学校、自治体、回収拠点、社会福祉協議会等への表彰制度PRを継続します。
・都道府県別の登録回収拠点の中身を見直し、アルミ缶回収協力者表彰への推薦が出易い環境を整備します。- (2)広報・啓発活動の推進アルミ缶及び回収活動への理解を深めてもらうための広報・啓発活動を行い、情報のアップデートに努めます。①若年層への環境教育としての広報・啓発活動・環境教育への協力、支援として小・中学校向けにパンフレット/小冊子、DVD、ポスター等の配布、再生地金サンプル等の教材を貸し出します。・旅行会社等に当協会活動をPRし、中学生の修学旅行時等の来協学習の申し込みが来易い環境を整備します。
・小・中学校への出前教育を積極的に実施します。
②自治体・消費者への広報・啓発活動
・自治体や各消費者団体主催の展示会、自治体講演会への参加、各種書籍・雑誌への寄稿等を行います。
・エコプロ2023が開催される場合には参加します。
・タブのみ回収の防止活動については引き続き正確な情報提供を行います。(歴史的な経緯と怪我の危険性)
・ホームページにてタイムリーな情報提供を行うと共に、協会やアルミ缶回収活動のPRを行います。
③マスコミ関係者や支援団体への広報・啓発活動
・定期的に報道発表を実施する。(4月:アルミ缶需要予測 6月:単年度事業計画とリサイクル率、リデュース率)
・リサイクル施設の研修見学会を実施します。(10月)
・広報紙「リサイクルニュース」(4回/年)を発行、配布します。
(3)調査・情報提供活動の推進
・2022年度の「アルミ缶リサイクル率」(「CAN to CAN率」含む)、
・2022年度の「アルミ缶リサイクル率」(「CAN to CAN率」含む)、
2022年度「アルミ缶リデュース率」、2021年度の「アルミ缶再生利用フロー」
を調査・公表します。
・日本アルミニウム協会等と連携しタイムリーな調査分析・情報発信に努めます。
・日本アルミニウム協会等と連携しタイムリーな調査分析・情報発信に努めます。
・アルミ缶輸出入数量、及び世界のリサイクル率について、データ精度の向上に
努めます。
(4)当協会企画委員会、ワーキンググループ(WG)活動の推進
・当協会が当面する課題や対応を企画委員会と各WGで対応していきます。特に
リサイクルフロー調査WG、3R推進WG、広報WGでは、リサイクル率向上の
ための施策、自主行動計画のフォローアップ、効率的・効果的な広報活動の推進に
取り組みます。
【2】 3R推進団体連絡会メンバーとしての活動
「自主行動計画2025」に取り組みます。
(1)事業者自ら実践する3R推進計画の推進
・リデュース率とリサイクル率の目標達成に向けて取り組みます。
(2)普及・啓発活動の推進
・3R推進フォーラム、3R交流セミナー意見交換会等により市民、行政との意思疎通を図ります。
・市民リーダー育成のための支援、エコプロへの参加、リサイクル冊子の作成・配布等を行います。
(3)今後の中長期活動計画における活動
・自主行動計画2025に沿って、事業活動に参画します。
< 実績推移 >
1)リサイクル率とリデュース率
2025年度目標 | 2021年度 | 2022年度 | 対前年増減 | |
リサイクル率 | 92%以上 | 96.6% | 93.9% | ▲2.7p |
リデュース率 | 6.0%以上 | 6.2% | 6.1% | ▲0.1p |
16.00g以下 | 15.96g | 15.98g | +0.02g |
2)アルミ缶回収表彰 (優秀賞件数)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度目標 | |
小・中学校 | 46件 | 44件 | 41件 | 45件 |
一般 | 59件 | 66件 | 62件 | 65件 |